2019
02/08
ボランティア参加者の声
近年、核家族化が進み「おせち」を作る家庭が減ってきているためか、おせちがいろんなメーカーから売り出されています。通販などで販売されるおせちは、縁起物で物流の止まる正月に食べるということもあり業者はトラブル対応のための「予備品」も確保しているようです。そんなこともあってか、1月も中旬を過ぎた頃、冷凍もののおせちの引き取りがありました。正月が過ぎてはいるものの季節ものということもあるため、引き取りに行った帰りに早速配送に回りました。
ホームレスの支援や炊き出しをやっている支援団体へ行くと、「おせちが届く!」ということで車が到着すると同時に集まって来た多くの方々に荷下ろし作業を手伝ってもらえました。いつもは子どもたちのいる施設で出会う光景なのですが、この日は特に手伝っていただいた”おっちゃん”たちの目がキラキラしていたのが印象的で、作業中に何人もの”おっちゃん”から何度も「ありがとう!」とお礼を言われました。職員の方が小さい声で、「めったに口に入らないものだから」と言っておられました。
また契約団体の中に、日系ブラジル人の子どもたちが自身のアイデンティティーを大切にできる”居場所”を提供している団体があるのですが、ここにも1セット(スタッフが)配送しました。おせちを生まれて初めて見る子どももいたようで最初はおっかなびっくりだったのですが、テーブルに広げてみんなで取り囲んで食べ始めると「これ、おいしい!」ということで、ほとんど完食してしまうような勢いだったそうです。
おせちは日本の文化であり「ソウルフード」ですが、共生が求められている今だからこそ、いろんな立場の方々の口に入ることに限りない”豊かさ”を感じる、そんな出来事でした。
はじめてのおせちにしたづつみ。大人気は、たこの煮物でした。